「ゲッターロボ」放映リスト&独断偏見ストーリーガイド
1話〜10話

第1話「無敵!ゲッターロボ発進」
第2話「決戦!三大メカザウルス」
第3話「恐竜帝国レインボー作戦」
第4話「燃ゆる血潮の南十字星」
第5話「闇をつらぬけゲッターチーム」
第6話「恐竜!東京ジャック作戦」
第7話「悪を許すな突撃ラッパ」
第8話「危機一髪ゲッター2」
第9話「栄光のキャプテンラドラ」
第10話「急降下!ゲッター3は行く」


・第1話「無敵!ゲッターロボ発進」
1974.4/4放送
脚本:上原正三 演出:勝間田具治 作画監督:小松原一男
ゲストキャラ:早乙女達人(野田圭一)
登場メカザウルス:サキ・ザイ・バド・ズー

・ストーリー
 一億四千年の昔に絶滅したと思われた恐竜達は、実は地底のマグマの中に逃げ込み、独自の進化をとげ帝国を築き上げていた。彼らは帝王ゴールの指揮のもと、恐竜を改造した兵器メカザウルスを駆って地上侵略を開始した。折しも、日本の早乙女研究所では、早乙女博士を中心に驚異のエネルギー・ゲッター線の開発が進められ、それを利用した宇宙開発用ロボット・ゲッターロボの開発が進められていた。しかし、ゲッター線こそ、かつて宇宙から地表に降り注ぎ恐竜を地下に追いやった元凶であったのだ。かつての脅威ゲッター線の存在を感知したゴールは、早速メカザウルス・サキを送り込み、テスト中だった試作ゲッターロボはあえなく破壊される。そして、パイロットであった早乙女博士の長男・達人は無念の死を遂げた。その場に居合わせた高校生リョウは、武器を搭載したもう一台のゲッターロボの存在を知る。彼は、同じ高校に通うハヤト・ムサシを駆り出してゲッターロボに乗り込み、メカザウルスに戦いを挑んでいった。不慣れながらも合体を果たし、なんとかサキを撃退した彼らだが、ザイ、バド、ズーの三体のメカザウルスに包囲されてしまう・・・
・独断偏見解説
 記念すべきゲッターロボ第一話。いきなり四体も登場するメカザウルスもサービス満点という感じであるし、試作型のロボットがあっさりやられて、実は本物が隠されていた・・・という展開など、まさに第一話に相応しい、てんこもりの内容といえるだろう。冒頭は一気にリョウ・ハヤト・ムサシ・ミチル・達人がまさに自己紹介(笑)というノリで登場するが、やはり一番目立ってるのはハヤト!リョウが蹴ったボールをおそるべき反射神経で蹴り返すばかりか、ムサシの大雪山おろしを受けて空中で何回転もしつつ着地するなど、人間離れした動きを見せる(そういやバイクで空中一回転もしてたような)。まるであんた主役じゃないか?(笑)という感じである。まあ、後のアニメでも見られる努力・全力投球型の主人公を完璧・天才型の仲間がサポートするというパターンの、これが原形でありましょうか。ともかく、30分間手に汗握る展開で、デビュー戦を飾った後にいきなり再び危機に放り込まれるという、次回もチャンネルを合わせずにいられない上手い終わり方になってます。
 ちなみに、第一話で最強の名台詞は、ゲッターに乗り込むべく早乙女研究所に向かうリョウとムサシに合流したハヤトの、「俺はボインちゃんが大好きでな」でしょう(爆死)。
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・第2話「決戦!三大メカザウルス」
1974.4/11放送
脚本:上原正三 演出:生瀬昭憲 作画監督:野田卓雄
登場メカザウルス:ザイ・バド・ズー

・ストーリー
 ザイ・バド・ズー、三体のメカザウルスに包囲されたゲッターロボ。まだ未熟な操縦で苦戦を続けるが、ハ虫類恐怖症(?)のムサシが逃走をはかったため、無残な敗北を喫する。そればかりか、コマンドマシンに搭乗していたミチルもムサシを助けようとしたために敵の一撃を受けて負傷し、早乙女研究所も被害を受ける。ムサシは、それらの原因を作ったことに責任を感じるが、ハ虫類恐怖症を克服しないことにはどうにもならず、悩むのだった。それを見たハヤトは、元気にカエル・蛇・トカゲなどを集めさせ、とある廃屋の一室にムサシと一緒に放り込む。まとわりつく苦手な生き物どもに恐れ戦きつつ、恐怖を克服しようと闘うムサシ。そして再び侵攻してしてくる三大メカザウルスに、立ち向かってゆくゲッターチーム!見事己の恐怖に打ち勝ったムサシと、リョウ・ハヤトは見事なコンビネーションプレイを見せ、ゲッター1はバドを、ゲッター2はザイを、ゲッター3はズーを、チェンジしつつ討ち果たしたのだった!
・独断偏見解説
 第一話ではゲッター1の活躍しか見られなかったが(プロトゲッターなら2、3とチェンジしてたけど)、今回は2、3と状況に応じた見事なチェンジを見せ、これこそ本当のゲッターデビュー戦といえるだろう。のっけから「恐竜コワイ」を連発して情けないムサシも、ゲッター3でズーを撃破して最終的勝利を掴むなど、後半で見事汚名挽回を果たしてくれる。まあ、第2話の実質的主役は彼だと言っても過言ではあるまい(それにしたってあまりに情けないが(^^;)>ハ虫類恐怖症)。それにしても、今回もなかなかにかましてくれますハヤトくん。ハ虫類の山といる部屋にムサシを放り込むのはいいが、蛇はなんか模様が毒蛇っぽいし(笑)、下手すると弱点克服する前に死んでしまうぞ(笑)  
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・第3話「恐竜帝国レインボー作戦」
1974.4/18放送
脚本:上原正三 演出:川田武範 作画監督:森利夫
登場メカザウルス:バジ

・ストーリー
 第1話・第2話で恐竜帝国最初の侵略を退けたリョウ・ハヤト・ムサシ。彼らは次の侵略に備えてよりゲッターを自在に操れるよう訓練を重ねていた。そんなとき、東京上空に七色のバルーンが飛来したとの知らせが届く。急行するゲッターチームだが、バルーンは七色のペンキを町中にぶちまけただけであった。それ以外に何事も起こらぬ事を確認したゲッターチームは訓練を再開するが、ゲッター1での急降下訓練で、リョウは突然の恐慌状態になり、危うく地表に叩き付けられるところであった。どうやら、リョウは潜在的な高所恐怖症であり、それが急降下の際に表面化したらしい。ハヤトの冷たい言葉やムサシの無神経な申し出に憤ったリョウは、一人弱点を克服すべく、足をロープでくくりつけて橋の上から深い谷底にダイブする。そんなとき、メカザウルス・バジが東京に出現。色を塗られた建物を目印にして、次々と街を喰ってゆく。リョウはハヤト・ムサシと合流し、ゲッター1でバジに一撃を加えるが、バジは斬られると分裂してゆく能力を有していた。早乙女博士のたてた作戦は、バジを再びもとの一体に合体させて一気に別の方法で葬り去ること。ゲッターチームはバイクに乗り込み 、レーザーで攻撃を加えてバジを誘導し、再び一体に合体させることに成功。そして、高所恐怖症を克服したリョウによって地面に叩き付けられ、ゲッタービームで止めを刺したのだった。
・独断偏見解説
 1話がゲッターチームおよび主要サブキャラ全員のおおまかな自己紹介エピソードだとすると、2話以降は各ゲッターパイロットの内面を掘り下げた話だともいえると思う。第2話はムサシのハ虫類恐怖症の話だったが、今回はリーダー・リョウの意外な恐怖症が暴かれる。まあ、あの高度から急降下なんぞやったら余程慣れた人間でない限り、恐慌状態になっても無理はないと思うんですが(^^;)ただ、ゲッター1は空中戦が主な任務であるために、この弱点はかなり致命的。初戦から一週間で早くも、リョウはゲッターパイロットとしての立場が危うくなるのであった。しかし、優等生に見える彼も意外に意地っ張り。早速恐怖症克服の訓練を開始するわけだが、いきなり超危険な場所でのバンジージャンプ(^^;)第2話のムサシよりも更に無茶な特訓です。しかも、ロープが途中で一回切れたりすることを見ると、どう考えても安全度に問題があるヤツを持ち出してきてたと思われるわけで・・・(^^;)どうやらその辺の判断が出来なくなるほど、悔しくて頭に血が昇っていたようですね。この、ふだんは冷静で大人だが一旦勘所に触れられると行くところまでいっちゃう性格は、この後のエピソードでも 時折垣間見ることができます。
 あと、メカザウルスについて細かいツッコミを入れると(^^;)街を七色に塗りたくるのはバジが目印にするため、ということですが、そんなまどろっこしいことをするより、はじめっからビルを喰いまくるようにプログラムしておけばよかったのでは?と素人考えには思ってしまいます。が、きっとこれは、バジのベースに使った恐竜が、色に反応して攻撃などを行う習性を持っていたのだ、ということでしょう。兵器の開発には、様々な問題点がどこまでもつきまとう、特に恐竜帝国のように生物をベースに製作していれば尚更・・・ですね。それを補うために様々な手法を用いていることの一例が、このレインボー作戦なのでしょう。
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第4話「燃ゆる血潮の南十字星」
1974.4/25放送
脚本:上原正三 演出:落合正宗 作画監督:伊賀章二
ゲストキャラ:神明日香(菊地絋子)
登場メカザウルス:ゴル

・ストーリー
 平和な南海の島・ウーロン島の住民が一夜にして皆殺しにされるという怪事件が起こる。島には、恐竜の足跡が残されていたことから、早乙女博士は調査をゲッターチームに命じるが、ハヤトが行方知れずのため、ミチルが先行して調査に向かう。そこでミチルのコマンドマシンはメカザウルス・ゴルに遭遇し、機体ごと拉致されてしまった。緊急事態にもかかわらず、未だ現れないハヤト。リョウとムサシは二人だけでゴルに戦いを挑むが、メンバーが欠けてパワーが半減しているゲッターは、敗北を喫する。二人の撤退後ようやく現れたハヤト。ムサシはハヤトの行動の無責任さをなじる。その夜、ハヤトは責任を感じてゲッター2単独でミチルの救出に出かけるが、しかしゴルの奇襲にあって墜落、負傷する。早乙女は彼の捜索をリョウとムサシに命ずるが、ムサシのハヤトの身勝手な行動に対する怒りは深く、彼は出動を拒否する。そのとき、ハヤトの姉明日香がハヤトの忘れ物であるハーモニカを持って現れる。彼女によると、ハヤトの不在は母の墓参りに行っていたためだという。事情を知ったリョウ・ムサシは即座に出動し、危機に陥っていたジャガー号を救出、合体してゴルに再戦を挑む。ミ チルを盾にとられて苦戦するも、ゲッター2のドリルストームを用いた奇策で勝利するのだった。
・独断偏見解説
 ムサシ、リョウに続いて、今回はハヤトのパーソナリティに一歩踏み込んだ話である。母の墓参りという、別に普通の人なら隠す必要のないようなことも仲間には言いたくない、というハヤトの孤高さが、実に彼のキャラクターをよく表している。彼はカケラでも仲間に自分の弱みを見せるのがイヤなのである(尤も、話数を重ねるにしたがって、このあたりは柔軟になってくるが)。このことは、ミチルを単独で助けにいく――自分の責任は自分自身の手で償うという、行動からも見てとれる。この4話に至るまでには、ハヤトの他者に対する厳しさが(例;ムサシのハ虫類克服作戦)目についたが、それはそのまま、自分自身に対する厳しさでもあったわけだ。このアニメ版のハヤト、OAV真ゲッター版・コミック版のキャラクター造形が大きく異なるのは周知の事実(?)だが(ハヤトに限らずだが)、この「厳しさ」「孤高さ」という点では、基本的に同じであるように思える。
 あと、ゲッター2がゴル打倒に用いる「ドリルストーム(ドリルで竜巻のような風を起こす(」だが、羽根もついていないドリルを回転させただけでそれほど強烈な風が起こるというのはおかしい。ここから考えると、あのドリルは単に物理的に敵を、粉砕するだけでなく、周囲の空間や重力に干渉する特異な力場を発生させる力があるのではないだろうか。そう考えると、体に対してはかなり小さいドリルであれだけ自由に地中を動き回れるのも、納得がいくのである。
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第5話「闇をつらぬけゲッターチーム」
1974.5/2放送
脚本:雪室俊一 演出:山口康男 作画監督:小松原一男
登場メカザウルス:ギガ

・ストーリー
 実は自転車に乗れないムサシは練習中、コーチ役の元気から「よくそれで、ゲッターロボに乗れるねえ」と言われ、落ち込む。おまけに、ベアー号に乗り込む達人の亡霊まで目撃し、更に心理的に動揺する。一方、打倒ゲッターの秘策を練るゴールは、ゲッターの合体シーンを見て、ゲッター3の合体が失敗しがちなことに気づき、この弱点を突くべくメカザウルス・ギガを送り込んだ。ゲッター3で闘うのが尤も適当と思われる場面でムサシはやはり合体に失敗。そこからペースが乱れ、ハヤトはゲッター2で無理に闘おうとするが、早乙女博士によって自動操縦で退却させられてしまった。チームワークがバラバラの三人は博士にどやされるが、ムサシは自分を、苛立つハヤトはムサシを責め、険悪な雰囲気に。
そんなとき、リョウはシュミレーターに乗る謎の人影を目撃。それはいつでもゲッターチームの代わりが出来るようにと願うミチルだった。ムサシが目撃した亡霊も、実はミチルだったのだ。再びのギガの出現に、出動するゲッターチーム。ムサシは迷いを捨て、見事ゲッター3に合体成功。ゲッターミサイルで止めを刺し、彼らは自信とチームワークを回復するのだった。 
・独断偏見解説
 今回も基本的な中心人物はムサシ。その三枚目的キャラ故に、欠点の多さ故に、どうしてもよく試練に立たされてしまうのは仕方がないのかも。だが、それだけにドラマチックな展開を産んでくれる貴重なキャラでもあるのだが。そして彼の動揺に合わせ、チーム全体の統制に乱れが生じる。それでも問題を解決しようとするリョウ、苛立って、皮肉な態度を取りつつもムサシを立ち直らせようとする(?)ハヤトなど、各人の性格がキレイに描き分けられているエピソードでもある。
 絵的な意味での見どころは、ギガとの初戦でゲッタービジョンを使っ脱出しようとするゲッター2が、空一面に分身しているシーン。ゲッター2好きにはたまりません(笑)
 あと、ムサシに妄想癖(ミチルとのバイクでのデートを夢想・・・とか)があることが発覚するなど(笑)、
ある意味で貴重なエピソードでした。自転車くらい乗れるようになれよ。
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第6話「恐竜!東京ジャック作戦」
1974.5/9放送
脚本:田村多津夫 演出:生瀬昭憲 作画監督:野田卓雄
登場メカザウルス:リボ・恐竜艇

・ストーリー 
 関東各地で異常地震や地割れが観測され、それは恐竜帝国の仕業ではないかと推測された。そこでミチルがコマンドマシンで偵察に出かけるが、リボの攻撃を受け負傷してしまう。一方、ゲッターチームはまたささやかな仲間割れを起こしていた(笑)。日々トレーニングを続けるリョウが、努力をまったくしようとしないハヤトに忠告しようとしたことから、リョウ・ムサシとハヤトの間に対決ムードが流れたのだ。ミチルを診てもらうため病院に連絡に向かう際にも、バイク無茶な運転をして競争する。リボの目的が東京を孤立させることであると察知した早乙女博士は、ゲッターを出動させる。地中を逃げるリボをゲッター2が追撃するが、コマンドマシン不在のため上手く見つけることができない。怪我をおして出動したがるミチルを見て、元気はなんと自らコマンドマシンで出動する!トラブルを起こしつつ飛行るうち、偶然東京湾に接近する恐竜艇を発見。ゴールの目的は、孤立した東京を恐竜艇に満載された恐竜兵士で制圧することにあったのだ。なんとか操作に慣れない元気の通信はゲッターに届き、今まさにゲッター3でリボを持ち上げていたムサシは、両者を一度に葬ることを宣言!リボ を東京湾に放り投げ、激突したリボと恐竜艇は激突して大爆発!今回もゲッターの勝利であった。
・独断偏見解説
 前回に引き続き(笑)ゲッターチームのチームワークがヤバくなる話(笑)まあ、きっかけは前回とは違うけど。リョウとハヤトの負けん気大激突です。ほんと、リョウってキレると何しでかすかわかんないんですわ。今回は、ハヤトを追い抜くためにバイクでほぼ90度の崖を一気にかけおりる。それでもまあ、途中で冷静になってメカザウルス退治に向かうとこは流石リーダーといったところ。最後は勝利を納めたので結果オーライというところでしょうか。まあ、今回のケンカは結局元気のおかげで元のサヤ、という感じなので、両者のわだかまりはどうやら解消してないと見てよろしいでしょう。その証拠に、彼らがもめるエピソードはこの後もいろいろあります(笑)。でもリョウさん、後々の話で、ハヤトだってトレーニングしてる場面もあるし、ようするにコイツは気が向けばやるが向かねばやらないヤツのようなので、いちいち説教するのは得策ではないようですぜ(ほっとくのが一番)。まだ6話なので互いの性格の把握も不十分ということでしょうね。
 あと、リボと恐竜艇。なんであんなにぶつかっただけであっさり大爆発しちゃうのか(笑)これはおそらく、恐竜艇には恐竜兵士だけでなく相当の火器・爆薬類が満されていたのだと考えるべきでしょう。もし元気が恐竜艇を発見してなかったら・・・・そう思うと、ちょっとぞっとします。それにしてもあんなあっさり爆発するってのは安全対策が余程ずさんだった証拠です。非情で自分の部下も消耗品扱いのゴールらしいですねえ。民は宝ですよ>帝王 もっと大事にしませう。
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第7話「悪を許すな突撃ラッパ」
1974.5/16放送
脚本:雪室俊一 演出:山口秀憲 作画監督:森利夫
登場メカザウルス:ベラ

・ストーリー
 ミチルの気をどうにか引きたいムサシ。それを見た後輩のジョーホーは、彼に補助論付きバイクを提供するが、すぐ壊れてしまう。そして、ミチルがハヤトのハーモニカに聴き入るのを見た彼は、何か別の楽器で対抗しようと考え、ジョーホーから進軍ラッパを借りるが、なかなか上手く吹けず、吹けたと思ったらミチルに豆腐屋と間違われる始末で、落胆する。折しも、恐竜帝国は磁気嵐で電波を遮断するメカザウルス・ベラを地上に送り込む。混乱する日本の通信網。そしてゲッターも、通信不能なため合体ができない状態に陥るのだった。対策として、合体の合図を行うためのランプがゲットマシンに装備されるが、目的を感付かれてしまい、ベラに破壊される。そこで機転をきかせたムサシは、進軍ラッパで合体の合図を提案。見事合体に成功し、ベラを打ち倒すのだった。 
・独断偏見解説
 実はゲッターの主役かもしれない(笑)トラブルメーカーにしてドラマメーカーのムサシが、いつになく冴えたアイデアを見せるエピソード。たしか、この話でショーホーは初登場のような気がします。ムサシのためにあれやこれやと気を回す健気な姿はインパクトありですが、そのためにあんまり学校を休んではいけません(笑)現代なら登校拒否と間違われそうだ・・・。ミチルがムサシのラッパを豆腐屋と間違えるというのも、時代を感じて良いです(笑)何はともあれ、今までゲッターの最大の弱点・合体の時に足を引っ張っていたムサシが、今度は合体をリードする立場になるという、戦士の成長を感じる話でした。
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第8話「危機一髪ゲッター2」
1974.5/23放送
脚本:田村多津夫 演出:勝間田具治 作画監督:小松原一男
ゲストキャラ:滝(弟)(田中亮一)・滝(兄)(緒方賢一)・グラン(田中亮一)
登場メカザウルス:ギロ

・ストーリー
 サッカーの試合でリョウは勝利をおさめるが、その帰途、相手チームの滝が彼に対決を挑む。しかしサッカーはあくまでチームプレーだと思っているリョウは、あっさりそれを無視するのだった。逆恨みした滝は兄とともにミチルを誘拐する。それを知ったハヤトは、リョウには知らせず、単身ミチル救出に向かうのだった。そして滝(弟)をシュート勝負で降した後には、拳法使いの兄が襲いかかるが、激しい戦いの末、咄嗟の機転で見事勝利をおさめた。その時、またもメカザウルスが出現。恐るべきスピードを誇るキャプテン・グラン操るギロは、ゲッター2でなくては倒せない!滝兄弟との勝負から帰ったハヤトは休む間もなく出動、苦戦するが滝(兄)を倒した技で見事勝利するのだった。今際の際、グランは帝王ゴールに叫ぶ「私の目に狂いはない。地球征服のためには、ゲッターをまず倒さねば!」
・独断偏見解説
 今回の見どころは、なんといってもハヤトと滝(兄)の決闘。凄腕の拳法使い相手に苦戦しながらも一歩もひかず、見事勝利をおさめるのだが、鋭い感覚で相手の技を見切り、咄嗟の判断で技を思いつく格闘センスの凄さには脱帽である。だが、このバトルがあまりに熱いせいで、肝心のギロとの戦いが少しあっけない感じになってしまうのは、仕方ないことか(苦笑)。スピード重視の高性能メカザウルスなのに・・・。しかし、滝(弟)はちょっとスポーツマンとしてあまりにプライドがなさすぎる。「あのとき俺が失敗しなければ勝っていた」・・・って、そんなもん、誰でもどこでも一緒じゃい(笑)。その挙げ句、ミチルさんを誘拐するなんざ、エゴイストもいいところだが、ストーカーっぽさも感じてしまう。はっきり言って犯罪者だ(笑)。そこでカッコつけるハヤトもまた、本当にええカッコしいではありますが(笑)究極のええカッコしいは、縁の下の力持ちも進んでやるという、ええカッコしいのお手本(なんじゃそら)のような人です。まあ、ミチルさんにはかっこいとこ見てもらったわけだし、結局は彼女にいいとこ見せたかっただけなのかも・・・(笑)それでもハヤトはかっこい い!(力説)
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第9話「栄光のキャプテンラドラ」
1974.5/30放送
脚本:雪室俊一 演出:小湊洋市 作画監督:中村一夫
ゲストキャラ:ラドラ(緒方賢一)
登場メカザウルス:シグザウルス

・ストーリー
「栄光か死か、選ぶのはおまえ自身だ」――ゴールの命を受け、キャプテンラドラは溶岩に強いシグザウルスを駆り、地上に飛び立つ。普通の山や平地で無差別に噴火を起こし、溶岩で街や人里を壊滅させることだった。それ阻むべく出動するゲッターチーム。ゲッター1でラドラを追いつめ、シグザウルスを破壊されたラドラは足元に溶岩の煮えたぎる断崖に追いつめられる。しかしリョウは、戦闘能力を失った相手にどうしてもとどめを刺せず、逆に彼を救いあげ、逃がしてしまう。「罪を憎んで人を憎まず」とリョウの態度を称賛する早乙女博士やミチルだが、ラドラは再度襲来し、今度はゲッターの方が窮地に立たされる。敵を助けたばかりにこのような事態になったことを詫びるリョウだが、共に闘うハヤト・ムサシにも後悔はなかった。彼らは最後の力を振り絞り、迫り来る溶岩から街を守ろうとする。その姿に心を打たれたラドラは、溶岩をせき止め、ゲッターを救う。そして、怒ったゴールのミサイルからもゲッターを守り、自ら選びとった「真の栄光」を貫いて散ってゆくのだった。
・独断偏見解説
 うーん。なんといいますか。原作版ゲッターとの違いを、はっきり見ることの出来るエピソードであります。はっきり言ってしまえば、「甘いっ!甘いぜてめえら!」と原作版のゲッターチームが見たら絶叫しそうですな(笑)。殺し合いに、「罪を憎んで人を憎まず」もないもんだ、と。だがしかし、ここらへんがゲッター及びゲッターGの「反戦アニメ」としての性格をよく表しているんですな。また、「無抵抗の敵は殺さない」という、近代の戦争のやり方に忠実であるとも言えます(もっとも、そんな原則がちゃんと守られてる戦争なんざ見たことがないが・・・)。また、主人公達の行動に感動して寝返る敵キャラ、というのの原形を作った、という点では価値あるエピソードであると思います。
 まあ、命を助けたことの是非のお話はさておき、ラドラの離反は恐竜帝国の支配・人的管理の形式をおもむろに浮かび上がらせるものであるのは確かです。他のエピソードでも垣間見えることなのだけれど、恐竜帝国の戦士たちがゴールに従っている理由は、畏敬や愛国心もないことはないのだろうけれども、それよりも何よりも恐怖。であるから、彼らは異常なまでに敵からかけられる情け・優しさに弱いのである。であるから、ラドラ(余談だが、彼の人相は原作版デビルマンにちょびっとだけ似てると思う)もゲッターチームの潔さ、情の深さを見たとき、あっさり心を動かされてしまったのであろう。作中、恐竜帝国の戦士達や兵士達の姿は度々見えても、実際に生活している民達の姿は見えない。案外、実際に恐竜帝国の支配下では恐怖政治に人々は喘いでいるのかも知れない。
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第10話「急降下!ゲッター3は行く」
1974.6/6放送
脚本:松岡清治 演出:森下孝三 作画監督:白土武
登場メカザウルス:バズ

・ストーリー
 元気が描いたゲッター1の絵を見ムサシは、何故ゲッター3の絵を描かないのかと訊ねるが、あっさり「ゲッター3では絵にならない」と言われ、ショックを受ける。リョウにゲッター1の操縦の交代を持ちかけたり、早乙女博士に縦の持ち回り制を提案したりするが、全てお見通しの博士に一喝される。そこで今度は、ゲッター3で空を飛べないかと、傘を沢山抱えてパラシュート代わりにすることを思いつく。そして、ジョーホーや元気の協力を得て、こっそりゲッター3に装備を積み込んだ。折しも、日本の制空権を握らんとしてメカザウルス・バズを送り込む恐竜帝国。出動したゲッターは、1と2でバズを追い込み、遂に3の出番となる。そして、見守る全員の意表を突き、から飛び降りるゲッター3。華やかに開くパラシュート。しかし、バズの発射する円形鋸によってパラシュートは破られる。が、それを逆用し、落下スピードを利用した体当たりによって、見事バズを撃退するのだった。
・独断偏見解説
 またもムサシが主役。なんだかんだ言って目立ってるぞムサシ(笑)。第7話でちっとは成長したとこを見せたかと思いきや、またまた元気の些細な一言が気になってしまう。もうそろそろ、格好ばっかり気にするのやめなさいよ(笑)。だがしかし、ひょっとすると土壇場のときの胆力というか度胸というか、機転はゲッターチームの中ではひょっとするとムサシが一番かもしれない。パラシュート破られたのを逆に利用するとは。あと、今回のエピソードで見逃すことが出来ないのは、ムサシを投げ飛ばす早乙女博士!いくら怒られてムサシがびびっているとはいえ、あの巨体を軽々と持ち上げ、ほとんど抵抗する間も与えずにぶっとばすというのは、並大抵の腕ではない。あの体形や下駄(笑)からもしやと思っていたが、博士もどうやら若かりし日には柔道の達人だったようだ。
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(第11話以降も、順次更新していきます。お楽しみに(^^))


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