「ゲッターロボ」放映リスト&独断偏見ストーリーガイド
21話〜30話

第21話「アメリカから来たロボット」
第22話「悲劇のゲッターQ」
第23話「浅間山の大発明狂」
第24話「大要塞に向かって撃て」
第25話「合体!風速100メートル」
第26話「帝王ゴール大噴火作戦」
第27話「大魔人ユラーの怒り」
第28話「襲撃!!地竜族三人衆」
第29話「洪水地獄の死闘」
第30話「不死鳥の甦る時」


・第21話「アメリカから来たロボット」
1974.8/22放送
脚本:上原正三 演出:葛西治 作画監督:川島明
ゲストキャラ:ジャック(井上真樹夫) メリー(菊池絋子)
登場メカザウルス:ゴラ

・ストーリー
 アメリカから親善の目的で早乙女研究所を訪れる、キング博士開発のロボット・テキサスマック。それを待ち受けている最中に、研究所は火の玉に身を隠したメカザウルス・ゴラに襲撃される。相手の正体が確認できないためゲッターの出撃をためらっていた彼らを救ったのは、テキサスマックを駆るジャックとメリーだった。ゴラがひとまず追い払われた後、ジャックがゲッターチームに対して挑発的な態度をとったため、両ロボットは対決することとなる。そんな中、再びゴルが襲来するが、迎撃するゲッター1はゴルが吐く溶解液に翼を溶かされ、その窮地をまたもテキサスマックに救われる。今回の恐竜帝国の目的は、浅間山頂に大要塞を築き、早乙女研究所ならびに日本を一気に攻撃することだった。それを阻止するべく今度はゲッター2が出撃するが、今度はドリルを溶かされてしまった。この機を逃さじと、更に攻勢をかけるゴル。今度はテキサスマックが前線に立って闘うが、密かにパワーアップしていたゴルに返り討ちにされ、湖に沈められた。
 残る希望はゲッター3しかない。ロケットを搭載してなんとか空中戦闘を可能にしたケッター3は、力技でゴルを湖に引き込み、見事に粉砕した。そして、水底に沈んでいたテキサスマックも無事引き上げられる。
 こうして、お互いの力を認めあった日米のロボットは、固く握手を交わして別れたのだった。
・独断偏見解説
 待ってました!!のテキサスマックならびにキング兄妹登場。のっけから美味しいデビュー戦を飾ってくれます。スパロボや大決戦@ゲーム版ではどうも道化役にしか見えないキング兄妹ですが、初登場時は本当にカッコいいんですよねえ。クールで理知的な井上真樹夫ボイスのジャックなんて、どうかするとハヤトに匹敵しそうな渋さ。なのになのに、なーんで後世ではこのお二人を甲高い声で文法のアヤシイ英語を喋る似非外人にしちゃったかな(^^;)。最初にキャラ設定に変更を加えたお方に、心から恨み言を申し上げたいm(_ _)m。
 それはともかく、ふと思ったのは、ゲッターとテキサスマックって、デザインとか合体パターンとかは全く違っていても、設計思想としてはほとんど兄弟とでもいえるほど似通っているんだなあ、ということ。つまり、異なる形状の敵、異なる戦況に合わせて、その場その場に適応した闘い方をすることができる、万能に近い用途を持っているのですよね、両方とも(ゲッターはロボ自体の形態を、テキサスマックは武器や付属装備を変化させる、というポイントの違いはあっても)。そう考えると、ゲッターがG、號、真、と歴史を重ねてきたように、テキサスマックもどんどん進化を重ねていてもおかしくないんではないか――なんて考えると、また楽しいメカフェチチックな妄想に陥りそうになったりして(笑)
 そりゃそうと。今回結構あっさり空を飛んでしまうゲッター3。あんなことが短時間で出来るのなら、某エピソードでムサシがゲッター3に空を飛ばせたいがために、あんなにも苦労する意味はなかったのでは・・・(笑)。まあ、技術は日進月歩だから、その後の研究の成果なのかもしれないけど。
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・第22話「悲劇のゲッターQ」
1974.8/29放送
脚本:上原正三 演出:小湊洋市 作画監督:中村一夫
ゲストキャラ:ミユキ(つかせのりこ)
登場メカザウルス:ゲッタークイーン ギン
 
・ストーリー
 早乙女博士が、ある雪の夜に出逢った幼い少女、ミユキ。彼女は、早乙女家に引き取られ、ミチルの姉として、我が子同然に育てられていたが、五年前に失踪していた。彼女の正体は帝王ゴールの娘、恐竜女王ゴーラ。彼女の真の目的は、ゲッターロボの情報を盗み出すことだった。そのミユキが再び姿を現し、早乙女博士らは喜ぶが、すぐに彼女は再び姿を消した。彼女は盗まれたゲッターのデータをもとに作られたゲッターQ(クイーン)に乗り、20歳の誕生日に初陣を飾ることになっていたのだ。しかし、早乙女家とゲッターチームから人間への愛情を感じるようになっていたゴーラは、父に闘いを止めることを哀訴するが、無論聞き入れられない。
 やがて、出現するゲッターQ。ゴーラは高らかに、五年前設計図を盗み、今またミユキを殺害したことを宣言し、ゲッターチームを挑発する。怒るリョウたちだが、ゲッターQは全く反撃しない。人類を攻撃できないゴーラは、愛するリョウたちの手によって、無抵抗のまま葬り去られることを選んだのだ。しかし、それを救出するため、メカザウルス・ギンが出現しゲッターを窮地に。だが、ゲッターQはゲッターを救い、ゴーラはゴーラと博士、二人の父に別れを告げ――そしてギンとともに爆死。
 ゴーラの哀しすぎる死を目の当たりにするゲッターチームたちの間を、彼女の最期の叫びがこだまする。
「なぜ、生き物同士で争わなくてはならないの…」
・独断偏見解説
 テキサスマックと並ぶ人気ロボであるゲッターQが登場する、傑作エピソード。
 これほどに哀しくも美しい愛の物語を、私は知らない。自分自身の分身であるミユキを殺した、叫ぶゴーラ。そこから生まれるリョウたちの、ミユキへの愛故の憎しみ。己に叩きつけられる憎しみの強さは、そのまま彼女自身への愛の強さであり、彼女の痛みはその具現としてゲッターQと自分自身の肉体に刻み込まれてゆく。まさに、究極とも言える愛の姿。
 ゲッターでは幾度か、「何故人類とハチュウ人類が争わなくてはならないのか」「両者は種は違えど、心、誇り、愛情などは全く同じ」というエピソード(キャプテンラドラとか)は語られているが、おそらくこれほど純粋で、血の流れるほど痛々しい物語は他にないと思われる。
 そしてまた、冷血と思われたゴール帝王までもが、親子・血縁の情に支配される、我々と何ら変わることのない精神・感情の持ち主であることがはっきりするのもこのエピソード。
 繰り返すが、これほど美しい愛の姿を、私は知らない。
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・第23話「浅間山の大発明狂」
1974.9/5放送
脚本:上原正三 演出:白土武 作画監督:白土武
ゲストキャラ:アラン(矢田耕司) エラン(緒方賢一)
登場メカザウルス:ギラ

・ストーリー
 早乙女研究所付近に奇妙な小屋を構える、自称大発明家・大枯文次。彼の「研究所」を訪れたジョーホーは、その発明のアイデアや知識がムサシのために役立つのではないかと思い立ち、彼に弟子入りする。その直後、訓練中のゲットマシンが発する振動で研究所の中が荒れてしまったことに文次が腹を立て、早乙女研究所に苦情を申し立てると言い出したため、一緒に早乙女研究所に行くことに。しかし、無論文次の主張は聞き入れられず、怒った彼は発明品である万能ロボット・浅太郎と一緒に暴れて退散する。
 一方、恐竜帝国のガレリイ長官は、怪鳥型と地底獣型の二体が合体して「火炎渦巻き」を発生させる、メカザウルス・ギラを送り込んできた。苦戦するゲッター。そして早乙女研究所も、文次の気球からの空襲を受ける。
 その最中、ギラと文次の気球は空中で衝突。期せずしてゲッターは危地を脱する。そして、浅太郎はギラの翼にしがみつき、かじり始めた!「火炎渦巻き」を発生させるのに必要な翼を破損したギラ。形勢は一気に逆転!分離したギラは各々にゲッタービームとドリルアームで止めを刺されるのであった。
・独断偏見解説
 ゲッターQのエピソードがあまりに哀しすぎたためか、今回は脳天気なお笑い編。新キャラの大枯文次&浅太郎登場。
 文次とムサシのキャラはいささかバッティングしている感も否めないが、文次と並べるとはるかに二枚目に見えるから不思議だ。登場するメカザウルスも強力にしてかっこよく、ゲッターチームの闘いも相当シリアスなのに、この展開(笑)。交互に繰り返されるシリアスからギャグのデコボコ感が、リズムとして心地よく、素直に楽しめます。ダイナミック作品の二つの側面を同時に味わえる、お得なエピソード。
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(第24話以降も、順次更新ただし停滞気味)


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