「ゲッターロボ」放映リスト&独断偏見ストーリーガイド
11話〜20話

第11話「対決!ドリル対ドリル」
第12話「吠える不死身のウル」
第13話「一本勝負!大雪山おろし」
第14話「紅の空に命を賭けろ!」
第15話「悠子に捧げるバラード」
第16話「恐竜帝国の謎を追え」
第17話「狙われた設計図」
第18話「恐竜帝国のすごい奴」
第19話「リョウ最後の出撃!」
第20話「大空襲!突然の恐怖」


・第11話「対決!ドリル対ドリル」
1974.6/13放送
脚本:田村多津夫 演出:山口康男 作画監督:白土武
ゲストキャラ:キャプテン・バルキ(緒方賢一)
登場メカザウルス:ギリ

・ストーリー
 血気にはやる恐竜帝国のキャプテン・バルキは、部下とともにメカザウルス・ギリに乗り込み、地上に向かう。浅間山火口から出現した怪しい火の玉をコマンドマシン・ジャガー号・ベアー号が追跡している隙に、早乙女研究所を襲撃した。しかし、遅れてきたリョウのイーグル号が迎撃。そして帰還したハヤト・ムサシと共にゲッターにチェンジし、なんとか倒す。しかし、ギリは一時的に活動停止したのみであり、脱出したバルキたちは反撃のチャンスを窺っていたのだ。バルキの部下達は遭難した登山客を装い研究所に潜入するが、ハヤトに見破られて撃退される。そして再び姿を現すギリ。当部をドリルのように回転させて襲い来るギリに、ハヤトはゲッター2のドリルで正面から立ち向かい、ドリル対ドリルの戦いに勝利を納めるのだった。
・独断偏見解説
 タイトルこそ「ドリル対ドリル」であるが、ドリル対決となるのは終盤のみ。当時のドリルマニアの少年達はさぞかしがっかりしたことだろう。今回登場のキャプテン・バルキはいささか短気なきらいもある猛将であるが、どうも戦略という点では随分と大ざっぱな印象を受ける。作戦のポイントが随分曖昧で、やることが行き当たりばったりなのだ。最初火の玉を使った陽動作戦をとるかと思えば、ゲッターロボが駆けつけるとあっという間に一回戦敗退。といってもこの初戦はこれも相手を油断させるための偽装のようなので、まあ作戦のうちと言えなくもないが、その後の登山客に化けての侵入作戦。あっという間に撃退される(笑)。そしてゲッターとの再戦でもこれといった戦略もなく真正面から挑み、そして散る。・・・一体何がしたかったんだ?あんたは?(笑)という感じだ。他のキャプテンたちのような行動の一貫性が、彼にはないのである。それほど作戦を協議相談しているシーンは見当たらないが、多分奥では、「ようし、次はこうしよう。何?作戦が甘い?逆らうとゆるさんぞ!」・・・てな具合にやってたんじゃなかろうか(笑) 。せっかく、首の取り外し(しかもドリル付き) がきく便利なメカザウルスを駆り出したのだから、もっと有効な作戦もあったろうにねえ・・・(笑)
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・第12話「吠える不死身のウル」
1974.6/20放送
脚本:上原正三 演出:葛西治 作画監督:野田卓雄
登場メカザウルス:ウル

・ストーリー
 東京に突然飛来した不気味な飛行船から現れたメカザウルス・ウルは、次々と発電所を襲う。ゲッターが出撃するが、ウルの超合金のボディと鋭い牙の前に、撤退を余儀なくされる。早乙女博士によりウルの唯一の弱点である口にボール爆弾をキックで叩き込む作戦が考案されるが、誰がキックするか、サッカー勝負で決めることになる。勝負の結果はハヤトに軍配があがるが、博士は何故か実行者にリョウを選ぶ。しかしリョウは、土壇場でキック力のあるハヤトにキックをさせるが、爆弾がスライスして作戦は失敗、ハヤトも怪我を負う。三度目の出撃では、ウルの口をオートジャッキでこじ開け、そこに爆弾を蹴り込む作戦に変更されるが、オートジャッキが故障。リョウは手動でジャッキをこじあけ、そこにハヤトが傷の痛みを堪えてシュート。見事爆弾は命中し、ウルは撃退されたのだった。 
・独断偏見解説
 今回はまたまた見どころ多し。ゲッターチームのサッカー勝負しかり、爆弾を口に突っ込むという変則的な作戦に、トラブルの連続。それを乗り越えてなんとかウルを撃退しようとするゲッターチームの苦闘、自ら危険を冒してオートジョッキを手動で動かそうとするリョウ、などなど・・・なかなかに手に汗握ります。今回は個性的なキャプテンも出てこないしゴールの出番も少ないのだけれど、その分いつもより増して困難な作戦の動きが詳細に語られ、それに関連してのゲッターチームの感情・駆け引き・チームワークまでも丹念に描かれているので、実に濃密なエピソードとなりました。また、ゲッターのいかなる攻撃も寄せつけないウルという敵も、なかなかに存在感あり。メカザウルスなのに狼の形をしているというのも変わり種で良いです(笑)。どうやらコイツは結構人気があるらしく、プレステの「ゲッターロボ大決戦」でも、序盤の強敵として登場していました。結構私も苦戦させられました(笑)  
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・第13話「一本勝負!大雪山おろし」
1974.6/27放送
脚本:雪室俊一 演出:勝間田具治 作画監督:増谷三郎
ゲストキャラ:岩倉大次郎(緒方賢一)
登場メカザウルス:メサ 名もなきメカザウルス 

・ストーリー
 北校柔道部主将、岩倉大次郎が浅間学園柔道部に道場破りにやって来る。堂々挑戦を受けるムサシだが、組み合ったところでゲッター出撃命令をを伝えに来たリョウのため、試合は中断。ムサシを負け犬扱いする岩倉の声を背中に受け、無念をこらえ出動するムサシ。謎の海底爆発の現場に、リョウ・ハヤトとともに向かった。そこでメカザウルス・メサと遭遇、一旦撃退するが、その後各地で頻繁に海底爆発や名もなきメカザウルスによる船舶襲撃事件が頻発する。県大会で岩倉打倒を誓うムサシは、必勝を期すために、ゲッターパイロットとしての任務を休んで練習に専念させて欲しいと願い出る。そして県大会当日。ムサシは順調に決勝まで勝ち進むが、観客席にリョウとハヤトの姿はなかった。彼らは、恐竜帝国の無闇な襲撃が、最初の爆発を隠すための陽動作戦であることに気付いたのだ。果たしてそこでは、恐竜帝国の海底基地の建設が進められていたのだ。二人が出撃したことに気付いたムサシは、岩倉との決着をも捨て、ベアー号で出撃する。そしてメサを大雪山おろしで見事撃破、県大会の優勝は逃したが、元気や研究所の仲間は、彼の本当の勇気を讃え、表彰状を贈るのだ った。
・独断偏見解説
 勉学とスポーツの両立は難しい。ましてやゲッターチームとしての任務も加わるとなれば、尚更・・・ということをしみじみ感じる逸話。といってもムサシの場合は勉学は関係なさそうだが(笑)。しかし、我々が長いこと慣れ親しんできた、パイロットが負傷もしくは他の何らかの理由で出撃できない=主役ロボット(もしくは味方全体)ピンチ、というパターンは、実は組織としてはとても大雑把な体制でえあることを示しているのではないか(代わりの人員を全く用意していないわけだから。コンピューターでバックアップをとってないのと同じ?)、と今回妙に突っ込みいれたくなって困った(笑)まあ、こんなこと考えてたら、ロボットアニメなんざ全く面白くなくなってしまうので、野暮なのだが。それはともかく、ムサシの英断には、やはり惜しみない拍手を贈りたい。実際、あれだけ岩倉に挑発されながら、それでもゲッターパイロットとしての責務を重視できるというのは、彼の戦士としての自覚が日々固められていっていることの表れといえよう。初めてゲッターに乗ったとき、ハ虫類に脅えて逃げ回った見かけ倒しな弱虫の面影は、既にない。 
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・第14話「紅の空に命を賭けろ!」
1974.7/4放送
脚本:田村多津夫 演出:川田武範 作画監督:菊池城二
ゲストキャラ:ガルマ(若本規夫)
登場メカザウルス:ギイ 

・ストーリー
 ゲッターロボ打倒作戦のため開発された、メカザウルス・ギイ。その作戦は、最もゲッターロボが無防備となるゲットマシン合体の瞬間を狙うこと。血気にはやるキャプテン・ガルマが部下を率いて乗り込む。一方、ゲッターチームの三人は有事に備えトレーニングを重ねていたが、まるで好き勝手な方法で練習する彼らに、ミチルは心配の色を隠せない。そしてギイを迎え撃つゲッターだが、ムサシが訓練中腕を負傷したため、合体に失敗。一旦撤退する。手ごわいギイに対して、それぞれのゲッターの特徴を活かせば必ず勝てると確信した三人は、ゲッター2のスピードで素早いギイをとらえ、鋭い刃のプロペラを3の腕力で破壊、、そして最後の1にチェンジしてゲッタービームでとどめを刺す。三人三様、バラバラに見えてもそれぞれの能力を発揮する彼らに、改めて惚れなおす(?)ミチルであった。
・独断偏見解説
 今回も、なかなか高度な戦略性を見せてくれるエピソード。何のためにゲッターが三種類に変化できるのか、またそれぞれにパイロットが必要なのかを、見事に納得させてくれる。ゲッターチーム三人、ミチルではないが、みんなそれぞれに素晴らしい素質を持っているのだ。そして、そういうそれぞれの個性を、チームワークの乱れではないかと危惧するミチルも妙に可愛いし、彼女から訴えを聞かされても、彼らのことを全て分かっていて温かく見守る姿勢を崩さない早乙女博士も頼もしい。戦闘が全体的に大きなウェイトを占めているにも関わらず、逆にそれゆえに皆の人間関係をほのぼのと感じることができる。
 それに比べて、今回も恐竜帝国のチームワークの悪いこと・・・(笑)勝利一つとっても、それがガルマの手柄かギイの手柄かでもめるバット将軍とガレリイ長官。両方の手柄で別によかろうに(笑)。そしてまたガルマ自身も血気にはやるあまり戦況を容易に見失ってしまうという、指揮官としてはあまりにお粗末な失敗をしでかす。というか、技術者があんなにも作戦面にまででしゃばる軍隊というのも、なんだか変といえば変なような。でも、古今東西そういう悪の帝国はいっぱいあったっけ(笑)またまた野暮なツッコミでした。
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・第15話「悠子に捧げるバラード」
1974.7/11放送
脚本:雪室俊一 演出:小湊洋一 作画監督:中村一夫
ゲストキャラ:悠子(吉田利保子)・悠子の母・良江(菊池絋子)
登場メカザウルス:シバ 

・ストーリー
 心臓を患う元気の同級生・悠子が、元気と共に恐竜帝国に誘拐される。捕らわれている間に、悠子の様態は悪化してゆく。ゴールがゲッターチーム提示した人質解放の条件は、ゲットマシ発進。手出しのできないゲットマシンを、メカザウルス・シバが容赦なく攻め、遂に撃墜したかに見えたが、それはリョウたちが仕組んだ偽装だった。それを見抜いたゴールは、今度はゲッターチームの三人をある場所に呼び出す。そこで人質は解放され、何故か何事もなく帰ってきた三人だが、リョウとハヤトは罠によって視力を奪われていたのだった。そこに再び現れるシバ。ゲッターチームは唯一ゴーグルのおかげで視力が無事なムサシの誘導で合体し、ゲッター3で見事シバを撃退に成功するのだった。
・独断偏見解説
 正攻法ではかなわないと思ったのかどうか、今回の恐竜帝国の作戦はなかなかに悪辣。人質を取るだけならまだしも、ゲッターチームから視力を奪うなど、実にねちっこい手段を使ってくる。しかし、ああやって三人をおびき出すのに成功したのだから、拉致するなり惨殺するなりした方が、効率がよかったような気もするのだが。ゴールがそれをしなかったのは、彼ら3人がゲッターなしでも相当に手ごわい相手であるのを見越して、少しでも簡単しかも確実に罠にかける方法を考慮した結果であろう。それにしても、今回もゲッターチームのコンビネーションは見事。視力を失ってもしっかり合体を果たすシーンなどは、思わず手に汗握る。
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・第16話「恐竜帝国の謎を追え」
1974.7/18放送
脚本:上原正三 演出:勝間田具治 作画監督:小松原一男
ゲストキャラ:キャプテン・クック、キャプテン・シック(ともに、赤羽根明)
登場メカザウルス:ゲル 

・ストーリー
 早乙女博士は、念願のゲッター計画の最初の一歩である、G−1ロケットの打ち上げに成功する。それを察知した恐竜帝国から、早乙女研究所を急襲するキャプテン・クック操るメカザウルス・ゲル。しかし、研究所に張り巡らしたゲッター線バリヤーによって翼を破壊されて退却、即座に処刑される。ここでゴールは、その妖術の力を恐れて地下に幽閉した地竜一族のシックに、ゲッター計画阻止の命令を下す。シックはハヤトの姉・明日香を催眠術で操り、計画の設計図を入手、そして計画の要である宇宙ステーションをゲルで破壊することに成功する。卑劣な手段に怒りを燃やすハヤト。一方、ゴールから「ゲッターロボを斃せば将軍にする」という言葉を受け、再びシックがゲルを駆って現れる。しかし、リョウの岩場を利用した先方で傷ついたシックは、恐竜帝国の中に誘い込み、地下のマグマでゲッターを葬ろうとする。しかし、あっさりとシックを見捨てたゴールはマグマの奥深くに帝国を離脱させ、退避する先をなくしたシックはマグマの中で最期を迎えるのだった。
・独断偏見解説
 いよいよ恐竜帝国の隠し玉、地竜一族の登場。原作ほどの異形さ、壮絶さはないが、やはり相当の腕利きとして扱われている。しかしながら、その恐竜帝国内での不遇さは涙をそそるほどで、最期にシックを見捨てるゴールがバットに囁く言葉「おまえの地位を奪われてもいいのか?」などから、最初からゴールは彼を捨て石にするつもりでしかなかったこと窺える。しかし、戦略家としてもかなりの能力を有していたと思われるシックのこと、ちゃんとゴールが協力していれば、本当にあそこでゲッターは葬られていたかもしれないとも思える。
 それにしてもあまりに気の毒なのはクックで、あまりに無様な敗北と死に様である。まあ、あまりに間抜けな失敗(予備の翼があるのを知らなかったんだと)の結果の退却なので、処刑されても仕方はないかもしれないが。
 ちなみに、今回のタイトル「恐竜帝国の謎を追え」は、あまり内容に即していない。まあ、恐竜帝国の入り口にまで達しかけたことや、地竜一族など、恐竜帝国の陣容に未だ謎の部分が多いことからの連想なのだとは思うが。
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・第17話「狙われた設計図」
1974.7/25放送
脚本:田村多津夫 演出:森下孝三 作画監督:白土武
ゲストキャラ:キャプテン・ルーガ(菊池絋子)
登場メカザウルス:ジガ

・ストーリー
 突如横浜港に出現し、破壊の限りを尽くすメカザウルス・ジガ。そこにコマンドマシンで急行したミチルの目に、一人逃げ遅れた少女、ルミ子が映る。彼女を救出すべく奮闘するミチル。やがて駆けつけたゲッターによりジガは追い払われ、ルミ子は無事に早乙女研究所へ。身寄りのない彼女は研究所に身を寄せることになる。可憐な彼女に早速アプローチするゲッターチームだが、ルミ子はムサシに気がある素振りを見せ、ムサシもまた彼女に惹かれていく。その様子を見て心穏やかでないミチル。だがしかし、ルミ子の正体は、ゲットマシンの設計図を狙うキャプテン・ルーガであった。本性を現し、スパイ活動を行うルーガ。疑いを抱いた早乙女博士は、リョウとハヤトに見張りを依頼する。そこで、ルーガが設計図をカメラにおさめる現場をおさえることに成功するが、彼女は思いのほか手ごわく、逃亡を許してしまう。
 そして、迎えに来たジガに乗り込み、マグマに潜り恐竜帝国に帰還しようとするルーガ。しかし、素早く駆けつけたゲッターロボがそれを阻む。ゲッター2がマグマの中を泳ぐジガをドリルで突き刺して地上に引きずり出し、ジガの武器である口から吐くマグマの熱源である尻尾を、ゲッター1がトマホークで切断。武器を失ったジガは、ゲッタービームによって見事粉砕されたのであった。
・独断偏見解説
 何が怖いといって、ルーガがルミ子に変装しているその方法。彼女は蛇をモチーフにしたデザインの体を持つのだが、ルミ子からルーガに戻る瞬間、蛇の脱皮のようにばりばりとルミ子の形の皮から抜け出るのである(^^;)うーん、ホラー。というか、どう考えてもルミ子でいるときよりルーガの本性を現してからの方が、体格がでかいのに、どうやって細いルミ子の皮に収まっているのか、謎である。しかし、早乙女研究所って本当に敵の侵入をたやすく許してしまうのね(^^;)今回で何度目か。もうちょっとセキュリティ面をなんとかした方がいいと真剣に思ってしまう。それでも、ここまで見事に騙されているケースはやはり希有であるように思うので、そこはキャプテン・ルーガのスパイとしての腕前の見事さと言うべきか。恐竜帝国版マタ・ハリといったところであろうか。それにしても、ルミ子と仲のいいムサシを見て嫉妬するミチルさん。別にムサシは彼氏ではないだろうに、それほど機嫌が悪くなるとは本当に我が儘なお人であります。でもまあ、その気高いお嬢様ぶりが、魅力なのではありますが。
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・第18話「恐竜帝国のすごい奴」
1974.8/1放送
脚本:上原正三 演出:山口康男 作画監督:白土武
ゲストキャラ:ザンキ(野田圭一)
登場メカザウルス:ゼン1号・2号

・ストーリー
 ガレリイ長官が開発した、ボルト型のミクロ時限爆弾。それをゲッターロボに取り付ける役目に抜擢されたのは、武者修業から帰ったばかりのバット将軍の甥・ザンキだった。彼は腕試しにと三人一度に襲いかかってきた手練の戦士達をあっという間に斃し、その強さを誇示する。そして彼は提供されたゼン1号の性能に不満を表明し、地上戦能力を徹底的に追及したゼン2号の開発に着手するのだった。それと同時に、ゼン1号を使い、早乙女研究所の戦力情報を入手し、また故意にあっけなく1号を撃破させることによって、ゲッターチームに油断を与えるという策士ぶりをも見せる。しかもその後、今は亡き達人の親友・流体力学の専門家右京哲に変装して早乙女研究所に潜入。見事ミクロ爆弾をゲットマシンに取り付けることに成功、更には研究所のバリア発生装置および研究所施設の破壊すらやってのけたのである。この手柄によりザンキはバット将軍の参謀格に昇格した。だがしかし、その地位に飽き足らぬ彼は、将軍の暗殺を謀る。それは見事成功したかに見えたが、なんと心臓を二つ持っていたバット将軍は生きており、ザンキは反逆の罪で即刻処刑される。そしてゼン2号は 、ゲッターにとどめを刺すべく再び発進。それを迎え討つのは、ハヤトとムサシを巻き込むまいと単独で出撃したリョウのゲッター1。リョウは爆弾除去作業を行いながらの戦闘に苦戦するが、ついに爆弾を取り外すことに成功。駆けつけたハヤト・ムサシとのいつもどおりの連携プレーで、見事勝利をおさめるのだった。
・独断偏見解説
 今回の主役はなんといってもサブタイトルどおりの「すごい奴」ザンキ(たかが腕試しのために、強者どもを実際にザンキに殺させてしまうゴールもすごいが・・・人の命ってめちゃくちゃ軽いのね>恐竜帝国)。知略と戦闘力の双方を兼ね備えた、実に無敵な仇敵。もし生きながらえていたら、きっとゲッターチームの強敵になったであろうことは間違いないのだが・・・それにしては死に方が馬鹿すぎます(笑)。早乙女研究所後略にあたってあれほどの緻密な作戦を展開した彼も、野心に目がくらんで早まった、ということなのでしょうが。しかしまあ、まさか将軍に心臓が二つあるとは思わないだろうから、仕方ないといえば仕方ない失敗です。うーん、ストーリー紹介の割に短いコメントになってしまいますが、結論。ザンキだけじゃなく、さっき触れたように兵器で部下同士に殺し合いをさせるゴールも、心臓を二個も持ってるバットもすごい。恐竜帝国はみんなすごいのさ!(笑)
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第19話「リョウ最後の出撃!
1974.8/8放送
脚本:田村多津夫 演出:生瀬昭憲 作画監督:野田卓男
ゲストキャラ:流竜作(神 弘無) ドロス(長谷川克弘) 主任(緒方賢一) 岩本(キートン山田) 
登場メカザウルス:ドド

・ストーリー
 早乙女研究所で新たに開発された「ゲッター線キャッチャー」。従来の数十倍ものゲッター線収集能力を誇る、この人工衛星打ち上げのために、研究所は多忙を極めていた。しかしそんな中、リョウたちはやはりこの計画を妨害するため恐竜帝国が動き出すのではないかという危惧を覚える。その心配はやはり的中し、メカザウルス・ドドを率いるドロスが、研究所の主任を買収し、密かに妨害工作を行おうとしていた。その微妙な時期に、リョウの父・竜作が研究所を訪れる。家庭の事情により、リョウを九州に連れ帰ろうというのだ。早乙女博士の説得も空しく、リョウは竜作と共に郷里への道につくことに。そして、ロケットは打ち上げられるが、途中で大爆発を起こす。ニュースで事故を知ったリョウは、父を振り切り研究所へ。そして、リョウの代役としてイーグル号乗ろうとしていた裏切り者の主任の正体を暴き、彼を追ってきた父の協力を得て、戦線復帰を果たす。主任に襲われ腕を負傷していたリョウのゲッター1はドドに苦戦するが、敵をギリギリまで引きつけての攻撃で見事撃破。リョウの闘いぶりを見て、竜作も彼の選んだゲッターパイロットとしての道を認め、一人故 郷に去り、リョウは近いうちに帰郷することを心に刻む。
・独断偏見解説
 今回の見どころは、言うまでもなくリョウの父・竜作の大活躍でしょう(笑)。強い。とにかく問答無用に強い!ひょっとしたら彼がゲッターに乗った方がリョウより強いんではないかと思うくらいの凄さです(笑)。研究所への道の途中、不審がって道をふさぐハヤトとムサシを一撃のもとに倒し、リョウに襲いかかる主任の鉄パイプを、扇子を投げただけで弾き飛ばす。まさに超人の域です。身体能力にかけてはやはり神業を平気で使うゲッターチームですが、更に上をいっているという・・・流石リョウのオヤジ、という感じですが、外見から想像するその年齢だと、いったいリョウはいくつのときに生まれた子どもなのだろう、という気もします。が、これだけの頑固なオヤジ、きっと女性にも奥手だったに違いないので、晩婚だったのかもしれません。そんなこんなも含めて、かっこいいことずくめのリョウのパパが出づっぱりなエピソードでしたが、ともあれタイトルの「リョウ最後の出撃」が看板に偽りありに終わって一安心というところでしょうか。
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第20話「大空襲!突然の恐怖」
1974.8/15放送
脚本:田村多津夫 演出:田宮武 作画監督:落合正宗
ゲストキャラ:早乙女和子(千々松幸子) 早乙女和子・少女時代(吉田理保子) 和子の父(神弘無) ヨギラ(緒方賢一) 
登場メカザウルス:ヨグ

・ストーリー
 夏休みを利用して元気・ミチルとともに里帰りした早乙女博士の妻・和子。早乙女博士に頼まれ、リョウも同行し、楽しい旅行になるはずだった。幼少時に体験した戦争の際、空襲で両親をなくした和子は、その悲しい思い出をリョウとミチルに語り、「二度とこんな悲劇は繰り返してはいけない」と訴える。だが、その思いを踏みにじるように、この地にも恐竜帝国の魔の手が迫りつつあった。ゴールは、この土地に前線基地を建設しようと企んでいたのだ。ヨギラが駆るメカザウルス・ヨグが、夥しい数の小型爆撃機を率いて、大空襲を行う。海水浴を楽しんでいたリョウたちの穏やかな時間は破られ、和子の脳裏には幼少時の悪夢が蘇る。リョウは研究所に連絡し、町の人々を避難誘導するが、逃げ遅れた少女を助けようとしてピンチに。そこに、ゲットマシンとともに駆けつけたハヤトとムサシ。リョウも合流しゲッター1で闘う。イナゴの大群のように群がる爆撃機に苦戦するが、操作するヨグのアンテナを破壊、ゲッター2で敵の腹に穴を開けた後、ゲッタービームで止めを刺す。
・独断偏見解説
 ゲッターが反戦アニメとしての性格を持っているのは有名だが、このエピソードは放送日が終戦記念日ということもあり、和子ママの戦争体験も、その口から伝えられる反戦メッセージも、かなり具体的。下手をすると、小学校の平和学習授業で使えそうじゃないかと思ってしまえるくらい。それだけに、いささかお説教臭いような感じもしないではないが、戦闘シーンがあるアニメなどを「暴力的で有害」などと一くくりにして言う方々には、是非見て貰いたい(スタッフの真意がどこにあるのかをちゃんと考えてもらううえで)ような気もする内容ではあった。それにしても、ゴールの作戦は相変わらず超強引。これほど大規模な攻撃を行う理由が、「目撃者を一人残さないため」だってんだから、ちょっとびっくりする。たしかに町の人間は皆殺しに出来るかもしれないが、どう考えてもこれだけ空を爆撃機が覆いつくしていては、余所から気付かれると思うぞ(笑)>計画 だが、今回の侵攻規模を考えると、ゴールが必要としていた「誰にも気付かれない」時間はごく わずかでよく、とりあえず基地が出来て体勢が整ったらすぐにでも東京あたりあるいは世界各地の主要都市に、一大大空襲を決行する気だったのかも知れない。だとしたら、そんなところでリョウに出くわしたことは、やはり不運と言わざるを得ないだろう。
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(第21話以降も、順次更新していきます。お楽しみに(^^))


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